アメリカカンザイシロアリは上からも攻めてくる!?

住宅を食害してしますケースの多い土壌性シロアリ(イエシロアリ・ヤマトシロアリ)は、湿った場所が好きです。生きていくために多くの水分を必要とし、家 へ侵入する際も蟻道という、土と唾液で作ったトンネルを作り乾燥を避け水分を運搬しながら床下から侵入していきます。一方アメリカカンザイシロアリは生きていく中で、湿気を必要としません。木の中だけで生きていけます。天井から床までのあらゆる木材、家具等にも生息可能で、2階の軒先や窓、壁あらゆるところから侵入してきます。一般的なシロアリ予防は、新築の場合は土台から約1m上までの構造体です。この予防策は、イエシロアリ、ヤマトシロアリの対策でありアメリカカンザイシロアリの対策には適していません。アメリカカンザイシロアリの予防は家全体をシロアリ予防しなければ効果がありません。一般的な農薬系の薬剤で処理してしまうと5年しか効力がもちませんのでその後が壁内の再処理が不可能ですのであまり意味がありませんね。また、シックハウス等の原因にもなります。

 このシロアリは、小さく分布して生きるシロアリです。非常に小さなコロニーを作って生きるため侵入後すぐには、発見することが難しく発見するまでに時間がかかり、何十年もかけ小さなコロニーの数を増やしていきます。被害の範囲も専門家がみても特定しづらく完璧に特定するためには、全ての壁や天井をはがしてみなくてはなりません。また完全な駆除が非常に困難とされています。

 

アメリカカンザイシロアリの繁殖速度(1つのコロニー:巣)

このアメリカカンザイシロアリの繁殖速度は、羽アリがつがいとなって始まった巣(コロニー)の成長は、 数ヶ月のちに2~5頭の職蟻が孵化し、2年目でも1頭の兵蟻と12~20頭程度の職蟻がいるに過ぎません。 しかし、5年目には約800頭、10年目で1800頭、15年目で2600頭と推定されています。 兵蟻の割合は、5年目から4~5%で一定となります。

 

ちなみにアメリカではこのシロアリを駆除するときは「薫蒸処理」と言う方法で行います。これは、建物をビニールシートですっぽりと覆ってしまい、 その中に毒ガスを入れてすべての生物を殺してしまう、というちょっと乱暴な方法です。 日本でも文化財や古文書の保管庫などの害虫を駆除する場合に採用されますが、費用の面や日本の住宅事情を考えるとあまり現実的な工法ではありません。

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